実際に起こったトラブル事例をご紹介します。

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トラブル事例

トラブル事例 1 モジュール表面ガラスの損傷
連系運転開始から1年経つ太陽光発電所において、モジュールの外観点検を実施したところ、モジュール表面ガラスの損傷を発見しました。
トラブルの原因
損傷の原因として、風により飛来物がモジュール表面ガラスに追突したことや、鳥類が石などの固形物を運ぶ途中で落としたことなどが考えられます。実際に、鳥類が多く生息する地域の太陽光発電所で、同様の被害が1年間に10ヵ所程度あったケースもあります。
トラブル事例 2 モジュール間接続コネクタの溶断
天候などの影響によらず、太陽光発電所の発電量が低下したため原因を調査。接続箱で各ストリングの開放電圧を測定したところ、開放電圧が極端に低いストリングを発見しました。
トラブルの原因
接続コネクタの施工不良(差し込み不足)やコネクタ自体の不良などにより、接続部の接触抵抗が増加してジュール熱が発生し、溶断したと考えられます。
トラブル事例 3 ヒューズホルダの焦げつき
連系運転を開始してから1年以上経つ太陽光発電所において、設備の点検をしたところ、接続箱内のヒューズホルダに焦げつきを確認しました。
トラブルの原因
ホルダ内のヒューズを取り出して導通確認を行ったところ、ヒューズの導通はあり、切れていないことが判明。過電流による加熱ではなく、ホルダ内でヒューズが接触不良となっていたことが原因として考えられました(ヒューズホルダを正常なものに交換)。
トラブル事例 4 モジュールの接地抵抗値異常
太陽光発電所を連系運転する前の竣工検査において、モジュールの接地抵抗値を測定したところ、測定値が異常な値を示しました。
トラブルの原因
図1はメーカーのパワコンマニュアルに掲載されている接続図を簡易的に表したものです(Ecはパワコン筐体接地端子、Ecvはインバータユニットの接地端子)。つぎに、実際の接地工事がどのように施工されていたかを図2に示します。
接地抵抗値異常の原因として、接地系統図を作成していなかったことなどにより、接地線の接続ミスが発生したことです。
トラブル事例 5 パワコンの異常停止
2014年3月下旬、ある太陽光発電所において、突然パワコン(500kWが1台)が冷却ファンの異常により停止しました。ただちに主任技術者が現地に駆けつけてパワコンの復旧を行いましたが、その翌日も翌々日も冷却ファンの異常で停止してしまいました。
トラブルの原因
冷却ファンの不良を疑った主任技術者は、すぐに冷却ファンを交換。その後、取り外した冷却ファンをメーカーで検査しましたが、これ自体に異常は見つかりませんでした。冷却ファン自体に異常が認められないことと、交換後の冷却ファンでは異常が発生していないことから、交換前の冷却ファンと内部のセンサの相性が悪く、誤作動を起こした可能性があると考えられます。異常停止したパワコンの冷却ファンの故障検出方法などを表に示します。
トラブル事例 6 昇圧変圧器の温度異常
容量500kV・Aの昇圧変圧器において、突然温度異常の警報が出ました。臨時点検を実施したところ、警報の出た昇圧変圧器だけでなく、キュービクル内の温度が上昇していることが判明しました。
トラブルの原因
当初は昇圧変圧器の過負荷運転などを原因として疑っていましたが、調査の結果、キュービクル換気口のフィルタの目詰まりなどのため、キュービクル内の空気の循環が滞り、温度が上昇したことが分かりました。
トラブル事例 7 ストリング開放電圧の異常
太陽光発電所の竣工検査において、ストリングの開放電圧測定を実施したところ、開放電圧が他のストリングに比べて約10V低いストリングを発見しました。開放電圧が低かったストリングの太陽電池モジュールを切り離し、それぞれのI-V特性を測定しました。ここから、ストリングP側から3枚目の太陽電池モジュールのみに異なるデータが検出されました。
トラブルの原因
図1より、ストリングのP側から3枚目の太陽電池モジュールが原因で、開放電圧の値が低下しています。
トラブル事例 8 低圧遮断器の支持がいし融解
停電点検時、パワコンからキュービクルの昇圧変圧器の間に設置されている低圧遮断器に接続された銅帯の支持がいし付近が、黒く汚れているのを発見しました。がいしを取り外して確認したところ、底部が一部融解して変形していました。
トラブルの原因
銅帯表面の不良によって銅帯とがいしが過熱し、融解したと考えられます。また、パワコンの出力が昇圧変圧器の容量より多く、過負荷になっていました。この過負荷による発熱も、がいし融解の一因になったと考えられます。
トラブル事例 9 発電量の低下
最大出力991kWの広島県にある太陽光発電所で発生した事例です。2013年10月〜2014年2月までの実際の発電量が当初の計画値より低くなっていました。計画値は太陽光発電所を設置している地域の過去29年間の平均日射量と、一定の変換効率をベースに想定した値です。
トラブルの原因
この発電所は、電力会社の変電所から約7kmの地点に設置。また、連系運転に伴って配電線の張り替え(容量の増強)を行っています。
連系運転を行う前は、配電線の重負荷時電圧も軽負荷時電圧も規定値電圧の範囲内でしたが(図1)、発電所を力率100%で連系運転した場合、軽負荷時に配電線電圧は規定値電圧の範囲を離脱することがわかりました(図2)。そのため、パワコンの出力電圧制御運転(パワコンの出力電圧が214V以上になると、パワコンは出力電流の位相を制御する)を行うように設定していました。1日に何回も出力電圧が設定値を超え、その都度、出力電圧制御運転を行ったため、結果的に実際の発電量が計画値より低くなってしまいました。
トラブル事例 10 過電流継電器の整定値選択ミス
2014年3月初旬、運転中の最大出力が1,282kWの太陽電池発電所において、主遮断装置である真空遮断器(VCB)が突然トリップしました。過電流継電器の電流整定値は電力会社との協議により3.0Aと設定していました。
トラブルの原因
発電所の設備概要は以下のとおりです。
〈太陽電池モジュール〉
発電容量:0.245[kW/枚]×5,232[枚]=1281.84[kW]
〈パワーコンディショナ〉
最大出力:500[kW]×3[台]=1,500[kW]
運転力率:90%一定(進み)
定格出力:500[kW]×0.90×3[台]=1350[kW]
〈過電流継電器の整定〉
限時要素:3.0[A]
〈CT比〉
200/5[A]
太陽光発電所の定格出力は、パワコンの定格出力と太陽電池モジュールの定格出力のうちの小さい方の値なので、この発電所では太陽電池モジュールの1281.84kWが定格出力となります。 ここで、この発電所の定格出力1281.84および力率90%より皮相電力を求めると、
1281.84[kW]÷0.90≒1424[kV・A]
となります。
次に、この発電所の皮相電力から電流値を求めると、
1424[kV・A]÷(√3×6600[V])≒124.6[A]
となり、この電流値をCTの二次電流に換算すると、
124.6[A]÷200×5≒3.12[A]
となります。
以上のことから、過電流継電器の整定値選択ミスの原因は、パワコンの運転力率を考慮しないで発電所の定格出力を算出したことにあると考えられます。